秒針の鼓動
留め金を外し
黴臭い室内へ視線を落とす
誇りに満ち溢れた日々も
今ではすっかり埃に埋もれ
責め立てるような
金切り声と破裂音に頭を抱える

錆び付いた鎌で
実りの季節へと対峙する
望まぬ現実
臨むのは玉砕
振り下ろす度に風化して
退廃した雪解けを待つのみ

咳き込む先に
春は来るのか
沸騰する意識の中で
腐った床板をぶち抜く
饐えた土の浴槽は
小さな苗と萎えで溢れる

砂時計の砂は
刻一刻と私の体を埋めてゆく
揺蕩う場所で
花開くのはこの感傷
秒針の鼓動と共に色付いてゆく
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2013.01.24


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