虫下し
床材を探し路頭に迷う
プラスチック容器の果てに
水気を帯びた靴下揃えて
餌付けに靡いた気狂い数える

名無しの君に命名を
根無しの民は銘々と
絡まぬ鴉の羽を抜く
孕まぬ身体の糧に浮く

浮世には
見窄らしい足跡が
無条件の幸福を貪り
地上戦にて降伏するのは
根幹示せぬ愚かな刷り込み

双眼鏡を覗いていたのは
謳われぬ賢人
抗えぬ無知の群れに
その眼を腫らす

折り重なる
白痴達の理想郷
ケース越しの嘲笑が
腐りかけのパンを与える

保護の下に食い尽くす
予後の島に産み落とす
虫の揺り篭、無碍の拠り代

思慮深きものに箱舟を
罪深きものに箱庭を
さあ、蛇口を捻り水を張れ
傷口の蛆が溺れ死ぬまで
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2013.01.27


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