明日を望み今日に沈む
爪の隙間を埋めてゆく
腐葉の剥離、浮揚の隔離
爛れた指間を行き交い弛緩
ぱんぱんの顔で
夕焼けへと滑落してゆく
電車を見送る

さようなら
またあした
あたしはまた
さようならとつぶやいて
なめらすじから
あなたをみつめる

誰そ彼は
潰れた土の辻を這い
線路の果てる時を待つ
おいてけぼりの
歩みを貪り
千切れた夜更けの
星を見上げる

届かなくとも
止めなくとも
赤色の水溜りを泳ぎ続ける
溺れる事無く驕る事無く
ひとつひとつ
灯された明かりの袂へ

骨となり縺れ合い
それでも
さようならとつぶやいた
あなたにあいたい
あしたにありたい
またあした
夕焼けへと滑落してゆく
電車に乗り込む
関連記事

2013.02.05


Secret