白痴の世界
まあるい月が覗いているよ
黒い布地に針を刺し
意図も忘れて
あっちへ こっちへ

縫付けられて
居たいだけ
痛いだけで何も得られず
遺体だけが輝いている

気体の如き 掴めぬ背中(せな)よ
期待を抱き 何処へ流れる
機体に蒼き 空を映し
希代の清き 国士と成りて
奇態の猛き 悪鬼を下さん

偽りの平和が
我らの母を犯している

与えられたものだけが
真実であるのだよ

聖職者が嘯いて
箱の中では傀儡が仰け反る
号外!号外!
お隣さまが眩し過ぎます!
これはまるで
太陽の様ではありませんか!

ああ、すごい
ああ、すてき
ああ、ごめんなさい
どうか、どうぞ、おゆるしください

嗚呼、素晴らしき
素晴らしき哉、白痴の世界!
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2013.03.01


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