壁蝨の詩
私には偽名が必要なの

致し方なく渡来せし
哀れな哀れな犬ころめを
どうか
どうか匿い下さい

意志が彼の地へと出港し
虫が此の地で蔓延る事に
気付かない根付かない
傷の無い
負傷者だけが増えてゆく
偽称者だけが吼えている

今日は北
明日は南に諸手を挙げて

ああ まさにこの地は
地上の楽園

まさにこの血は
至上の仇怨
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2013.05.04


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