ヘドロに縋る
桶の中へ置き捨てたものが
数十年の歳月を経て
三叉路の先へと示される

焼ける事無き 西日に溺れた
底に漂う 私の意志よ
僅かな糧と 共に流れよ

裸足のままで
爛れた腕を
排出液へと注ぎ足しながら
雁首揃えた ヒナは囀る
稲は萎えゆく

廃棄物から明日へと繋ぐ
視界のヒトよ
気体のモトへと身を寄せながら
路上に描いた 優しさ切り取る

肺が孕む
膨らめ 膨らめ 膨らめ
蕾も夢も弾けて 終いさ

目覚めた昼は トタンに包まり
躊躇もせずに 焼け焦げてゆく

盛り土の下には
賑やかな
皮膚の色が蠢いていた

廻る事無き 錦に溺れて
骨を浸して それでも笑って

攫って 洗って また笑う

繰り返し 繰り返し
掘り返される墓穴の中で
帰る事無き 意識に負ぶさる
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2013.05.25


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