朱色の条線
小さな森の入り口で
知りたくもない
きのこの名前が木魂する

怖気づいて植わっていたのね
虫気づいて座った日から
法気づいて終わっていたのよ

暮れてゆく空が
触れている指に布を被せ
ゆびきりげんまん
真っ赤な帰路を吹き抜けてゆく

真っ赤な嘘さ
岐路に躓き 進まぬ時に
肺まで浸して 溺れるだけだ
突き刺された傘の下
突き返した朝が眩しく

糸の先には
婚姻色のうぐいの魚影

沼に囚われ果肉は熟れる
小さな木々より小さな日々に
絡む藻屑の卑しさよ
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2013.06.25


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