緑青腐れ
河川敷の草地に潜み
噛み千切った片足を貪る

満たされた
舌の上の幸福に
叩き上げのヒトが平伏し
晴天は翌日へと栄転す

咥える事に抵抗も無く
加える事へ堤高を築く
並々と水を湛えた
積年の恨みをしゃぶる日々

罅割れた潤いは
川下の排泄物を押し流し
何処かの誰かの絆へと
黄ばんだ身の上を擦り付ける

これがまた
好い匂いがするんですよ

不相応な恍惚に
苦悶の顔も飛び散って
もう 誰が自分か 知る由も無い

もしもし もしもし

味の失せた足の骨
量産品の 人生立て掛け
片足のまま 明日を夢見る
緑青色した 愛の残り香
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2013.07.31


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