踏み締めた水溜り
弾き出される人の影
失われてゆく時間さえ
満たされぬ 雲の切れ間に

眩し過ぎる亀裂の下で
貧し過ぎる徒列の沙汰に
晴れては陰り 蹲る

塞がれた空見上げ
それでもいいさと手を握る
目を伏せて
芽を伸ばす
優しい血管の束に縛られて
駆られる様に 枯れてゆく

望まれぬ晴天が
冷え切った身を寄せて
身を焦がし 実を零す

生ある事の綻びを知り
生ある事の喜びと知れ

配管を廻る秋空に
この痛覚めが 会釈する
擬色された 命と知りつつ