血の通う天幕
窮屈な瓶の内側で
何度この腕と戯れたのだろう
陽射しは遥か遠く
兆しは夜の帳へ包まれる

足元には吐き出した汚泥
いつまで未練がましく
浮かんでいるのか

草臥れた声帯は
もう誰のものでもない

逆様の頸動脈が命を繋ぎ
血の通った電信柱が
蒼白い宙空へと首を擡げ
一斉に産声を上げる

血走った天幕から
この鼓動が離れない

夜が来て 朝が来て
枝分かれした血潮を見上げ
寄せては引いて 浮かんでいた
覚束無い 意識に寄り添い
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2013.09.17


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