苔芽吹く
胸の奥に痞えていたのは
十二年前の星屑だった

見上げる事に全てを注ぎ
天体の動きの命ずるままに
ビルの谷間に埋もれた
余生へとしがみ付く

晴れ渡った日々は
エレベーターのドアの中
定まらぬ階層を
今も行き来しているのだろうか

燃え盛る心中に
非常口の緑が芽吹く
吸い上げる土が無くとも
逃げ惑う光を目指して
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2013.11.09


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