保たれた錯視
薄暗い店内に滞留する
捉え所の無い
声の群れは徐々に薄まり
手を伸ばす先に
天高く聳える氷山の連なり

ショットグラスに満たされた
満たされぬ日々の顔色
雨上がりの空に浮かんだ
浮かばれぬ時の経過
歓びも苦しみも
等しいものなどきっとないのさ

この期に及んで
まだ夢見がちな咽喉を潰し
いつまで言葉を呑み続けるのか
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2013.11.11


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