口と縫い糸
貝殻の様な小屋が
覆い被さるヒトデの圧に
本音を零し佇んでいる

海藻はゆらゆらと
捲し立てる
言葉の波間を漂いながら
押し黙るフジツボの口へと
吸い込まれてゆく

回想がふらふらと
岩の隙間を行き来する
火種が弾けて輝く様な
居心地の良い寝床を求めて

唇と唇は
終わる事無い往来に
いつまで
縛られ続けるのだろう

針穴にしがみ付く
糸の様な意図の絡まり
血溜りの口内より浮上する
関連記事

2013.11.28


Secret