手透かし
温もりを求める程に
泥濘に足を取られ
前を見据える想いすら
重い積荷に頽れてゆく

重ね合わせた掌が
確かにそこにはあった筈
離れてゆく安らぎと
剥がれてゆく痛みを抱いて
高架下の君の背中に
針を突き刺す

明滅する街灯が
幻滅する
哀悼の意に呑み込まれ
いつの日も
鳥の死骸に埋もれながら
空いたその手を空へと透かす

さようならを
言えぬままに
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2014.01.09


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