逆さ会談
木製の階段に染み付いた
よだれの数を指でなぞり
目の前の現実を
見下ろす君へと問い詰めた

生まれ行く命が
埋もれ逝く祈りの折に
天地逆転の家へと招かれ
白々しくも浅ましい
呻き声が日々を重ねる

玄関の扉が
心拍音と手を繋ぎ
開閉を繰り返す

繰り返す
階段の裏に居座るな

踏み締める音が
逆様に犇めく程に
流れ込む風が
僕の言葉を奪ってゆく
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2014.01.10


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