寄る辺なき声色
着ている服を脱ぎ捨てる様に
ずっと埃を被っている
その目の玉を抉ってください

空洞には蓋がされ
軽くなった椅子にはきっと
消息を絶ったあの日の君が座っている

穿る事で
身の程を知らぬ
我が身の膿がするりと一抜け
査証をください
と喚き散らして夜は更けてく

認められぬのは
日の出ではなく日没だった
夜が怖い
寄る辺なき声色
朝靄の中
囀る小鳥に引き千切られる
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2014.01.21


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