価値の依り代
広げた風呂敷を畳む前に
敷き詰められた瓦礫の圧を足裏に

下方から突き上げる
両手に靡く過去の残響
折り目と結び目に捉えられ
言葉の意味すら泥の衣で神隠し

柄を刻んだ繊維を行き交う
普遍的な意思と咀嚼
雑多に散らかる誰かの声が
拾い集めた種を育む

見向きもされぬ贋作が
此処では神の様ではありませんか

偽物も本物も
包み込まれりゃ同じ顔

たわわに実った価値の依り代
ゴミの中から首を擡げる
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2014.01.30


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