下水溝より愛を込めて
小さな狭いトンネルを下ると
そこは真っ暗な空間だった。

辺りには生温く鼻を突く臭気が立ち込め
まるで地の底から溢れかえったかの様な
不気味な反響音が木魂している。

無数の穴はごぼごぼと咳き込みながら
不潔な唾を撒き散らす。

あいつらの世界の裏側
ぼくたちは爛れた皮膚で蠢きながら
新たな秩序を打ち立てよう。

凍える事の無い
薬品と汚物と暗闇の三重奏は
ずたずたに破れ 屍と化した傘をも踊らせ
へどろの肉を積み上げてゆく。

捕食と増殖。
死と生。
空。

繰り返し繰り返し
殺め喰らい孕ませ落す。

今日は左眼が焼けおちました。
明日はどこが朽ちるのでしょうか?

渦が障る。

漆黒よ。
増えて増えて溢れかえり
やつらの世界を蔽ってしまえ。

境界は既に無く
ここには沢山の顔が舞っている。
浮んでは消え 浮んでは消え
へどろに塗れて哂っている。

ここは有限である。

そう、有限であるが故に
取り繕った教えはいとも容易く決壊し
矛盾に塗れた聖人たちに
汚物のシャワーを浴びせるのでしょう。
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2007.07.13