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雪中夢「転」
針が無くて釣りができるか
ハンドルを握る手も
冗談めかしたステップを踏み
悪戯っぽく笑みを浮かべる
全くもってその通りだ
だが餌は無くとも釣りは出来るさ
面影を帯びた顔たちは
異形でもあり同形でもある
乗り込んだ車中には
空白などは見当たらなかった
もう少しで海が見える
この時期に来る様な
物好きはそう多くはあるまい
転がる先には潮の薫り
刻み続けた雪の轍は
春には消えてしまうのだろう
それでもあと少しだけ
僕らの歩いた軌跡を下さい
ああ しかし
そんな細やかな願いすら
叶える余地など
此処には残っちゃいないのさ
国道沿いの防波堤は
国籍不明の
異邦人の群れに覆われていた
ハンドルを握る手も
冗談めかしたステップを踏み
悪戯っぽく笑みを浮かべる
全くもってその通りだ
だが餌は無くとも釣りは出来るさ
面影を帯びた顔たちは
異形でもあり同形でもある
乗り込んだ車中には
空白などは見当たらなかった
もう少しで海が見える
この時期に来る様な
物好きはそう多くはあるまい
転がる先には潮の薫り
刻み続けた雪の轍は
春には消えてしまうのだろう
それでもあと少しだけ
僕らの歩いた軌跡を下さい
ああ しかし
そんな細やかな願いすら
叶える余地など
此処には残っちゃいないのさ
国道沿いの防波堤は
国籍不明の
異邦人の群れに覆われていた
2014.02.05 ▲
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