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雪中夢「結」
季節はまだ冬だと言うのに
小麦色の肌が蠢いている
この一帯だけ春すら飛び越し
まるで夏の様ではあるまいか
乱立する道路脇の掘立小屋
バケツに溜まった液体が
柄杓に掬われ
コップの中へと運ばれてゆく
もう この場所も
喰われちまったのかも知れねえな
そう独り言ちてはみたものの
現実はもう其処に在る
ズシリ
と軋む屋根の音
ああ 時すでに遅し
頭上を這いずる異国語が
フロントガラス越しに
逆さまの笑みを浮かべ
ナイフを構える
劈く様なタイヤの悲鳴
白む意識と鈍い衝撃
ハンドルの上に凭れ掛かる
頭部の欠けた粘土細工
固まれば
形はそこで焼き付くのです
変質し得る意味さえも
お前らにくれてやるものか
囲いを破り逃げ込んだのは
雪を纏った獣道
怯えきった君の手を
引いて花実を咲かせてみせよう
陽の傾いた山中から
爛々たる
視線の刃が街を見下ろす
電話越しの心音が
穏やかなものでありますように
小麦色の肌が蠢いている
この一帯だけ春すら飛び越し
まるで夏の様ではあるまいか
乱立する道路脇の掘立小屋
バケツに溜まった液体が
柄杓に掬われ
コップの中へと運ばれてゆく
もう この場所も
喰われちまったのかも知れねえな
そう独り言ちてはみたものの
現実はもう其処に在る
ズシリ
と軋む屋根の音
ああ 時すでに遅し
頭上を這いずる異国語が
フロントガラス越しに
逆さまの笑みを浮かべ
ナイフを構える
劈く様なタイヤの悲鳴
白む意識と鈍い衝撃
ハンドルの上に凭れ掛かる
頭部の欠けた粘土細工
固まれば
形はそこで焼き付くのです
変質し得る意味さえも
お前らにくれてやるものか
囲いを破り逃げ込んだのは
雪を纏った獣道
怯えきった君の手を
引いて花実を咲かせてみせよう
陽の傾いた山中から
爛々たる
視線の刃が街を見下ろす
電話越しの心音が
穏やかなものでありますように
2014.02.05 ▲
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