幸せの対極
掻き毟られた畳には
長きに亘る
卑屈な笑みが刻まれていた

屈折した光から
この両の眼を御護り下さい
覆い被さる天幕よ
無実の苗木をその懐に

取り零された造花の種は
芽吹く事すら億劫で
開かぬ理由を
他者の心に問い詰める

波風の無い穏やかな

そんな言葉をぶら下げた
荒波の中で渦巻く混沌

調和の対極に不和があり
幸せの対極に平和があった

この死体には虫も湧かない
無抵抗な尊厳は
昨日と少しも違わぬ姿勢で
畳の上に染みだした
沼の底を泳ぎ続ける
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2014.02.15


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