規格較べ
人並みの幸せくらいは
欲しているさ
鷲掴みにする事だって
叶わぬ夢ではなかった筈だ

だけれども
此処から先は立ち入り禁止
そう 約束を交わしている

目の前の微笑みが
済し崩し的に転げ落ち
触れ合っていた感覚だけが
雪解けの季節が近づく度に
土の中から
呼びかけて来るからだ

花が咲いても
蛹を破り羽化しようとも
毎年変わらぬ
長閑な虚しさが其処にはあった

満たされる事よりも
浸される音に酔わされ
つまらぬ命を詰まらせている

こんな時間に
人でありたいと思い立ち
頭と窓の繋ぎ目に
小さな針を差し込んでみた

絡み合った歯車の
噛み合わない部品の端に
刻む言葉の愛おしさ
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2014.02.21


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