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土瀝青
苔に覆われた鉄柱が
湿気った
この街の空気に呼応する
道端で蹲り
雑踏の流れを断ち切りながら
謝罪の言葉を吐き出す男
彼の口元は歪んでいた
反しの利いた棘の痛みに
幾ら時間を費やしたのか
失ってゆくものはいつも
残されたものの形に比例する
笑っているのか
嘆いているのか
目許は既に失踪していて
手元にあるのは
彼がまだ肩を並べ
歩いていた頃の写真
平伏す度に
雑居ビルの視線から
成層圏へと押し上げられて
路面に向かって
真っ逆様に落ちて来る
そんな記憶が染み付いた
この土瀝青を踏み締めて往け
湿気った
この街の空気に呼応する
道端で蹲り
雑踏の流れを断ち切りながら
謝罪の言葉を吐き出す男
彼の口元は歪んでいた
反しの利いた棘の痛みに
幾ら時間を費やしたのか
失ってゆくものはいつも
残されたものの形に比例する
笑っているのか
嘆いているのか
目許は既に失踪していて
手元にあるのは
彼がまだ肩を並べ
歩いていた頃の写真
平伏す度に
雑居ビルの視線から
成層圏へと押し上げられて
路面に向かって
真っ逆様に落ちて来る
そんな記憶が染み付いた
この土瀝青を踏み締めて往け
2014.03.05 ▲
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