痕を濁さず
地の底から響き渡る
虫の声を耳にする
寒空の下に在り
暖かな土と戯れる日々が
もうじき眠りの中へと落ちてゆく

転げ回るのは私ではない
抑え切れない情動が
車道から歩道へと
その矛先を捻じ曲げる

慎ましくも支離滅裂な
瞳の反発よ
融け逝く定めのブレーキ痕に
柔らかな歴史を重ねておくれ
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2014.03.10


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