プレハブ
筋繊維の集合体が
トタンと鉄筋の隙間から
顔を覗かせる

君は生きているんだね

冷たく聳えるプレハブ小屋に
温かな血液が染み付いて
文字通りの
真っ赤な贋者が
此方を指差し手招いている

砂利道よ繁ってしまえ
忍び込んだ塀の割れ目が
誰の眼にも触れない様に

人気の無い資材置き場で
錆付いた金属と共に
朽ち果ててゆく花の記憶

勾引かされて
風と共に消えて往きたい
関連記事

2014.03.13


Secret