偶像となった男
煮え滾った鉄を
上っ面だけの
型の中へと注ぎ込む

威勢の良い指先は
遥か彼方を睨んでいるが
踏み拉くべき道筋は
入り組んだまま定まらず
先陣を切る趨勢だけが
明日へと至る
道標に他ならない

最早 振り向く事も許されず
男は原初の衝動を
旭日昇天の勢いと交え
歪な願望を
その背中へと宿してゆく

これが君の理想かい

また一つ
誰かの夢が咲き誇り
男の夢が惨めに枯れた
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2014.03.25


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