球体の中庭
鍋底から泡となり
吊り上げられる幸福は
いつでも頭の片隅で
有り余る富と名声を握っている

心地の良い春の兆しだ

剥き出しの土に寝そべり
汚れた背中に
一時の
気の迷いを宿す頃合い
水面下の決心が
粘土質に変容する足場から
転落し 其処の底へと沈殿してゆく

掛替えの無い笑顔が
苦痛に塗れた
畑の上に咲いている

殻の外にはとても住めない
内なる卵と
球体の庭を彩る草の根
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2014.04.01


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