初春の回想録
夢の合間に見る駅で
紙の折り目を押さえてる

汗ばむ指が閉じた景色へ
二度と訪れる事は無いでしょう

飛んでゆく君のリボンに
掛替えの無い声を託し
寂れた線路を伝って響かす

チューリップの咲く頃に
またこの場所で

音色すらも噛み合わず
乱れた周波が
夕暮れの空を喰らう時刻

続いてゆく幸せを
そっと眺めては折り畳む
ある初春の回想録
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2014.04.02


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