更新された偽り
左手の中で
熱い鉄を打つ様に
削り取った景色は
記憶の形すらも変質させる

焼ける様な痛みだ
今ははっきり目が冴えて
隔絶された場所にあるのに
切り離せない
貼り直せない
更新された偽りが
実を結ぶ

噎せ返る様な匂いだ

芳醇な薫りに魅せられて
立ち並ぶビル群が
打ち解けられぬ
しがらみを掻き鳴らす

行き違いの交友は
いつの日も一方的な循環を以て
通りの流れを支配している

思い通りにならぬものだ

金属製の棚は萎れ
降り積もる本の山が
乱雑に辛辣に
寛容な人の心を啄んでいる
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2014.04.07


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