通わぬ細胞
内壁にこびり付いた
分厚い油脂が
張り巡らされた空洞を
息苦しく彩っていた

閉ざされた線と線
隔てられた点と点が
筋張る街の血を詰まらせて
壊死したビルの谷間で間誤付く

開示された名簿の中に
僕らの名前はあるのだろうか
行き場を無くした風は即ち
誰からも必要とされない人生

強がりと
自己正当化により
僅かばかり生き永らえる

紛い物の旗が無ければ
本物にすら成れやしない
血の通わぬ細胞が
今日は一段と影を落とす
関連記事

2014.04.16


Secret