水膨れ
花火の蕾が綻ぶ前に
打ち捨てられた
望遠鏡へと杭を打とう

束縛された情景は
いつも誰かの頭の中で
思い思いに股を開く

上昇してゆく体温が
下降してゆく平穏に
火傷を負わせて季節に抗う

鳥は始めから
こんな景色を望んじゃいない
土地勘の無い
旅の終わりが鼻を突く

旅館裏に咲く鶯神楽
台所に湧く蛆虫と
過ぎ去りし
日々に感けた水膨れ
突くと破れて零れてしまう
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2014.04.22


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