俯瞰する月
足場に満たない色欲は
みんな廃れてしまえばいい
剥き出しにされた肋骨を
朝の滴がなぞって落ちる

切迫を伴う走行が
海沿いの国道を駆け抜けて
アップダウンの坂とペチュニア
打ち立てた誓いから
罪を積み足す自転車操業

麻袋に覆われた世界の果てに
喪われた人の言葉を届けているのだ

密着をする記憶と過ごす
私利私欲の情景は
何処までも追い駆けて来るが
私はもう
それを咎める事はしないだろう

君はまるで月の様だね
見開かれた目が やけに哀しい
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2014.05.02


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