柔らかな種
人気の無い裏路地で
誰に語る訳でもなく
ただ粛々と喋り続ける

途切れ途切れのか細い声が
時にけたたましい怒号に変わり
落ち着かない首の揺らぎは
青と白とを突き回す

そう あれは
捩じ切られた雲の切れ間に
四散する笑顔を塗した
人の声

柔らかな腹より漏れた
腸の行く末
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2014.08.13


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