木枯らし擬き
息をひとつ止める度に
四季はふたつ通り過ぎ
時がみっつ刻む頃には
月はよっつの顔を顰める

置き忘れて砕かれた
夏の花びら 熱の残り香
四方のさざめき

色付かぬ未熟な果実よ
秋は何処に
取り残されたというのだろう

往来の風を紡いだ木枯らし擬きが
薄手の肌を勾引かし
まだ冷めやらぬ
原色の吐息が零れ落ちる
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2014.08.30


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