飴に群がる
袋から飛び出した
飴玉の昏倒

色取り取りに離れ離れに
溢れんばかりの甘い汁が
泣いている空の端に
べとべとの手を伸ばし
模範的な一日を取り繕う

正体不明の船舶が
視界の外から呼び掛けようとも
単色に寛ぐ身体の芯には
何ら揺らぎは生じない

ああ 浮かぶ事さえ困難な
不安を隠せぬ小型ボートが
群がる蟻の群れに包まれてゆく

気遣いに囚われた
愛のかたまり 悔いの絡まり
肉の下に潜む憎しみ
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2014.09.01


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