| ホーム |
逢瀬
噎せ返る様な熱の群れは
日輪草と共に流れてゆき
今、わたしの前に在るのは
枯れ草色に染まる日々。
わたしといえば相も変わらず
見晴らしの良い丘に立つ
古びた石の上に腰掛け
今日もお空を眺めてます。
天高く透き通るような青い空。
疎らに張り付く
うろこ雲を突き抜け
棚引くように零れる光は
わたしの頭上を旋回する
とんぼの群れに降り注ぎ、
すすきにたゆとう影が舞う。
…もう、秋ですね。
もうすぐ
あなたがやって来る。
年に1度の逢瀬の日。
あの日から、また、
沢山の月日が流れたけれど
あなたは何か変わりましたか?
わたしは何も変わりません。
…。
生茂る草を掻き分け
今年もあなたがやって来た。
広い広い空の下、
あなたとわたし。
ただ、言葉も無く寄り添い
虫たちの奏でる音と風の声に融けてゆく。
時は無情に過ぎ去り
景色が茜色に染まる頃、
去年よりもすこし皺の増えたあなたは、
丘の上の古びた石に微笑みかけ
からすと共に去ってゆく。
また、逢いに来てくださいね。
石は寂しく影を伸ばす。
名残惜しげにゆれながら…。
枝の上、
どんぐり齧るりすたちが
古い衣を脱ぎ捨てて
新たな毛皮を纏う頃、
綿毛の翅は現れて
色の終わりを静かに告げる。
もうすぐここは白に染められ
多くの命が声を潜める。
傍若無人な風の音は
僅かな声さえ掻き消して
わたしを白く染めてゆく。
石は静かに雪に沈む。
次の逢瀬を夢見ながら…。
日輪草と共に流れてゆき
今、わたしの前に在るのは
枯れ草色に染まる日々。
わたしといえば相も変わらず
見晴らしの良い丘に立つ
古びた石の上に腰掛け
今日もお空を眺めてます。
天高く透き通るような青い空。
疎らに張り付く
うろこ雲を突き抜け
棚引くように零れる光は
わたしの頭上を旋回する
とんぼの群れに降り注ぎ、
すすきにたゆとう影が舞う。
…もう、秋ですね。
もうすぐ
あなたがやって来る。
年に1度の逢瀬の日。
あの日から、また、
沢山の月日が流れたけれど
あなたは何か変わりましたか?
わたしは何も変わりません。
…。
生茂る草を掻き分け
今年もあなたがやって来た。
広い広い空の下、
あなたとわたし。
ただ、言葉も無く寄り添い
虫たちの奏でる音と風の声に融けてゆく。
時は無情に過ぎ去り
景色が茜色に染まる頃、
去年よりもすこし皺の増えたあなたは、
丘の上の古びた石に微笑みかけ
からすと共に去ってゆく。
また、逢いに来てくださいね。
石は寂しく影を伸ばす。
名残惜しげにゆれながら…。
枝の上、
どんぐり齧るりすたちが
古い衣を脱ぎ捨てて
新たな毛皮を纏う頃、
綿毛の翅は現れて
色の終わりを静かに告げる。
もうすぐここは白に染められ
多くの命が声を潜める。
傍若無人な風の音は
僅かな声さえ掻き消して
わたしを白く染めてゆく。
石は静かに雪に沈む。
次の逢瀬を夢見ながら…。
2007.09.03 ▲
| ホーム |