リモコンの行方
頬をかすめた雨粒が
半開きの窓の縁へと蹲る

入っていいよ
と言わんばかりの
脂ぎった看守の笑顔

草臥れた背中は
いつだって預けっぱなしで
手から手へ
又貸しされたリモコンは
もう誰のものかも分かりはしない

映像が切り替わる

花畑に添えられた蛸の足が
祭囃子に乗せられて
踊り狂う
真っ暗な夜は
真っ平だ

湿気っぽい檻に寝そべり
きのこを頬張る

口の中で空が泣き
警棒が唸りを上げて
音が途切れる
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2014.09.16


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