点として
天を指す電信柱が
点として在れる場所へ

移ろう雲も
虚ろな国の旗を持ち
至らぬ事を悔やみながら
破れた紙切れを拾い集める

この雨は何処から来て
何処へ行く

繕う声は
傘の下で泣いていた

嘘も本音も今はただ
水溜りの中で嫋やいで
覗き込む顔を歪めてしまう

そう 鏡はまだ
此処に在らずだ

根を張れぬ送電線は
乾いた土へ別れを告げる
花弁と共に頽れて
戻らぬ熱に
夢の欠番を記しながら
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2014.10.06


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