蕾の中の火薬
円筒が街を行き
演奏が土を盛る

埋もれてしまうのは
空を泳ぐ魚群の瞳
眼差しは温もりを帯び
覆い被さる声に交じって
流れに乗った尾鰭を震わす

揺れているのは
朝焼けだろうか

振れるばかりの計器に宿った
蕾の中の火薬たち

きっとこの先も
燃え上がることなく
散ってゆく

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2015.01.13


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