タコ部屋に咲く
風が腐敗してゆくのは
背中の瘤が疼くから

箱庭みたいな街の声
タコ部屋に咲いた花の群れ
閉じ込められた頭にも
噎せ返るような草の匂い

目映いばかりの鍵はただ
穴の形へ埋もれていたい

引き下ろされる瞼の裏で
弾かれた昼がその身を寄せる

鬩ぎ合う夜を欺きながら
紡ぎ合う余暇へ根を忍ばせて

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2015.01.26


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