俗ひとつ毒ふたつ
履き捨てた靴の事など
君はとうに忘れているのか
罅割れた足が語る
空の広さはどこまでも暗い

雨粒が肩を叩き
米粒が腹を満たす
幸せは胸いっぱいに
皺寄せは尾根いっぱいに
日々の間を擦り抜けて
抱き寄せた温もりに焼かれ
茶碗は満ちる

湯気が上る度に
凍える肌が顕わになって
指の隙間から
滑り込む俗物ひとつ
毒物ふたつ
甘味と共に
甘美な音を奏でて融けた

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2015.02.14


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