雲の重さ
記録された数字をなぞり
繋がれた首に安堵する
鎖の出所は分からぬままに
握り締めた固さを愛し
手探りの言葉を書き起こす

汚れてゆく紙に
刃先は踊り
さざめく空の深くへ
電話越しの声を沈める頃
腰を上げた日の薫りが
雪解けを待てずに
蕾を貪る

無責任な雲の重さは
滴る血肉に呼応して
夜通し叫んだ花の名を
擂り鉢で砕いて瞼を腫らす

抜け出した型は
欠落した土の深さを知らず
浮かれ切った股の奥へ
どうでもいい一生を
打ち捨ててゆく

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2015.02.15


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