観点失
幸せな時に溺れ
息苦しさに顔を切り取る
中身の詰まった腹の内は
きっと
成り済ました空白で
埋め尽くされているのだろう

壁と壁の隙間では
生まれ育った街並みを背に
不感症を患った
菌糸体が夕日に染まる

享受するのは人の常
傍受できない日々の罪
与えられた
言葉に潰され首を折るのみ

傾いた春はいつの日か
蛙の卵と
孵る事ができるのだろうか

寒天質の膜はただ
覗き込む
顔に怯えて窓を遮る

関連記事

2015.02.23


Secret