春に猛る
雨水が咽の痛みに絡み付き
擦れた音を響かせている
押し入れても届かない
下水管の奧の葛藤

匂い立つ
過ぎし日の我が身よ
新しい芽吹きと共に朽ちてゆけ

合流式の筒の中
閊えた骨はいつまでも
あの日の形を保ち続ける

きっと今年も春が来て
ずっと小鳥は夜に怯える

逢魔が時の鮮血は
西に流れて東へ昇り
命の猛りを滲ませるだけ
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2015.03.04


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