収まる液体
容器に収まる液体は
きっと今でも自由なままで
錆びた自転車 積み込む文を
どんな形にも変えられる

黒い服の配達員
暗い暗い夜道を駆けて
区画の髄まで舐め回せども
鞄の中には紙の山

抜けられない側溝が
透明のままに人を誘う
偽りの言葉に
耳を尖らせ罪を侍らす

与えられた餌を詰め込み
雨粒の真似事を繰り返す度
雨靴の痴れ事はぶり返す

寝そべる街道
遥かな家路を水に流して

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2015.03.12


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