距離感
踏み抜いた床板を見上げ
遠退いた揺り籠との
距離を計る

足元にすら登れずに
這い蹲る背中には
翅の生えた痕も残らず
情けなく軋む膝の痛みを
どこか遠くの街へと重ねて

歪んだ計器が
錆びついた腕へと組み込まれ
朝も夜も静かな廃墟に
久方振りの春の団欒
蠅の観覧
吊り上げられた月の晩餐

遥か頭上に
いつか私も在れるだろうか

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2015.03.16


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