煌々潺々
鬱蒼とした森へと呑まれ
転がる様に消えてゆく

水源地へは
まだ幾許かの距離があろう
隣人は既に腕を失い
私も疾うに声を無くした

瞼を閉じても 煌々と
湧き出る清水が瞳を侵し
耳を塞げど 潺々と
噴き出るあぶくが鼓膜を犯す

水浸しの靴の底
蒸れた指先
熟れた傷口
扇情的な皮脂の戯れ
朝靄に抱かれて匂い立つ


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2015.03.17


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