鼓膜に到る顔
溜池の底で聴く音は
密封された星の心拍
白んでは更け
やがては暮れる陰の葬列

入れ替わるのは
満たされた黒い揺り籠と
澄み渡る白い棺桶
籠った夜が囁いて
明るい朝は
響き渡ってゆくのだろう

耳障りと見做す日も
覆った天幕と共にある

そう 鼓膜に触れる事実さえ
此処では顔を違えてしまう

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2015.03.28


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