常温
渇いた言葉が幕を裂き
寂れた空に血が滲む

ほら こんな場所にも
常世の長鳴
地雷原を駆け足で
幾つもの
音と破損を抱きしめる

項垂れたカウンター
作り物の種を並べて

気が紛れれば好いのですが
苦笑いを浮かべる土に
せめてもの生甲斐を

電気の通わぬコンセント
ドアの向こうの
生温さ

場末の海岸
黄金色したビールの底へ


関連記事

2015.03.31


Secret