脳天に鶴嘴
雲間に覗く冬の案山子は
参道へ至る靴を妬む
幼き日から思い描いた
行き交う事の喜び

火に焼べる度に
日が暮れて
日がな一日
恨み辛みを募らせる

幸せなら手を落そう
二度と何かを掴めぬ様に

暖かな春の兆しは
残雪の下に汁を湛える
膨れた顔を曝け出す

ああ 振り下ろされた鶴嘴が
飛び散らかした
色の暴力
目移りするよな花びらと
根腐れするよな
生きる動力

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2015.04.02


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